カレンダー「TOMORROWS」/デザイナーインタビュー:植原亮輔(KIGI)

1本の棒に6枚の紙が掛かっているというシンプルな構造のカレンダー「TOMORROWS」。6枚の紙はそれぞれ計算された大きさに断裁され、引っ掛けるだけでそれぞれの紙の重なりが楽しめるデザインになっています。

 2021年のカレンダー「⑳㉑」から3年ぶりにカレンダーをデザインしたキギ・植原亮輔さんに、どんな思いでカレンダー制作にあたったのか訊いてみました。

 

植原 今回はとにかくグラフィックデザインを真剣にやってみました(笑)。例年作るカレンダーはわりとルールがあって、そのルールの中でどう表現していくかっていう方法でデザインをしてるんですが、今回は強いて言えば棒に引っかかってるというルールくらいで。

植原 なので、ルールがない分、自分としては「今月はこうありたいな」とか「この月はこうであってほしいな」とか「1年がこうあったらいいな」などと、何となく未来をイメージしながらデザインしました。それで、タイトルを「TOMORROWS」と。明日が集まって一年になる、その明日は明るい未来になりますように、とそういう気持ちでタイトルを付けました。

 ――常日頃、デザインと向き合っている植原さんから「グラフィックデザインを真剣に考えたら、」という言葉が出たのが印象的です。

 植原 自分としてはもっともっとできることとか、やりたいことはあるんです。というのも、この棒にただ掛けるというカレンダーとしてのいい雛形を見つけたから、それをベースにしたら印刷やフォントなど表現は百万とあると思うので。でも、今回は真剣に考えた上で、一旦このデザインになったという感じです。

今後、このカレンダーをはじめとしていろいろやってみたいですね。棒に掛けることで、グラフィックなんだけど在り方はプロダクトというか。そういう意味でもカレンダーの未来や可能性を自分なりに感じてます。

 ――この棒に掛けるというアイデアはどこから生まれたんですか?

植原 なんだろう……、はじめはハンガーに掛けようかなと思ったんだけど(笑)。

 ――それもまた面白いですね。

植原 製本をすることで単純にお金が掛かるので、どうやって安くするかを考えていて。カレンダーって買わない時代じゃないですか。それでも買ってもらうためには、やっぱり安くて良いものじゃないといけない。だから結局、値段を下げるっていうことが重要なミッションで、どうやって値段を下げようと考えたときに製本をしなければいいと思ったんです。 

今の人たちはDIYにも慣れてるし、家具も自分で組み立てるじゃないですか。家具だって自分で作れるんだから、棒に引っ掛けるくらいはやってくれるんじゃないかって思ったんです。それで、製本しない、断裁もなるべく少なくっていうふうにしていったら、あのかたちに着地して、自分でもとても気に入ったんですよね。壁掛けカレンダーってふつうは紙ものだけど、あのかたちにしたことで、なんかグラフィックがいきいきし出すんですよね、「プロダクト感」みたいなものが残ってて。そういう意味でいうとD-BROSオリジナルの存在感が出せたんじゃないかなと思います。

 ――紙の大きさが違うので、ただ引っ掛けさえすれば、面白い重なりが出せていいですよね。

植原 そうそう。適当にやってください(笑)。適当に掛けたらもうそれでいいっていう感じです。終わった月は捨ててしまってもいいんだけど、できたら後ろに回してもらえたら。主役から脇役に回る感じです。

 

 

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