[前半] 新商品トリプルガーゼ「siesta(シエスタ)」を製造した藤高タオルさんにお話を伺ってきました

藤高タオル・取締役藤高小夜子さんに、シエスタの製造についてお話を伺いました。

 

今治タオルの老舗・藤高タオル

「いま弊社のブランディングを手掛けている株式会社 10incの代表の柿木原さんが出身がドラフトさんということもあって、D-BROSさんのことは前から存じ上げていました。GINAZA SIXさんにもお店ありましたよね? 家紋柄の風呂敷がすごく好きで、どこの会社さんだろう? と思っていて、あれもD-BROSさんなんだと後で知りました」

――D-BROSとしては、藤高タオルさんが今回快くタッグを組んでくださって、とても光栄でした。

「いえいえ。もともとデザインや建築がすごく好きで、今回渡邉良重さんのデザインで商品を作ることができて、本当にいい機会をもらって幸運だなと思いました。渡邉さんがどんな方だろうって空想を膨らませていて。一番最初デザインを拝見した時は、プリントじゃないと実現不可能だろうなというような絵柄だったんです。でも、なんとなくプリントで済まされるような方じゃないという気がして三重ガーゼをご提案したいなと思ったんです」

(トリプルガーゼで織ることができるか、何度も打合せを重ねた)

 

――藤高さんがトリプルガーゼを提案してくれたんですね。

「はい、僭越ながら(笑)。プリントで簡単に済ますのではなくて、できる限り最大限というのを求められるのだろうなと思いました」

 

職人技×デザインで織られた190×140cmの大判トリプルガーゼ

――これだけの図案を織りにするということは、なかなかないことですよね?

「いやいや、ホントないですよ。今まで作った三重ガーゼの中で一番広いのは、60×120cm程度のものだったんですけど、この織機がすごく珍しく190cm幅が総吊りになっていて、針が一本一本独立しているものなんです。本当になかなかない織機で、今治にも1台しかないと言っていいと思うんですけど、それをフル幅で織ったっていうのは今回初めての試みでした」

(織り機の最大幅を使って織った、190×140cm幅の一番大きいサイズ)

 

――新しい試みゆえに、サンプルを作った際いろいろと苦戦したのを覚えています。

「そうなんです。横方向に同じ色が入ってくると滑脱(縫い目の糸が生地からすり抜けてしまう)しやすいとか、強度の面で問題が出ることがわかりました。その都度、渡邉さんが対応してくださって、織り物の弱点をデザインで解消してくださったというのが印象的でした」

ーーこのプードルが可愛いデザインも最初とは違いますよね?

「三重ガーゼですと、柄の箇所で3枚のガーゼが止まっているので、広い面積に何も表現がないと、洗濯した時によれたりしていまうんです。それで、最初の図柄は文字がなかったんですけど、やっぱり留めがあった方がいいと思いますとお伝えしたら、『じゃあ、文字を入れるね』とおっしゃってくださって。その対応が何て言うんでしょう、より可愛くなっているし、より良くなって克服しているというのがさすがだと思いました。言葉も素敵なんですよね」

――「Talk to me. Even if I don' t understand your words, I understand your voice when it’s speaking to me. たくさん話しかけてください。言葉はわからなくても、あなたの声は届いています」(『犬の十戒』より)という英文が実は入っているんですよね。

「すごくいい言葉ですよね。私はこれを買おうと思っているんです! これがベッドにかかっていたら本当に素敵ですよね。ちゃんとベッドメイキングしようって思いますよね(笑)」

 

 

後半につづく

siesta 商品ページはこちらから