
クリエイターズダイアリー みんなの時間の作り方 vol.4 よしいちひろさん(イラストレーター)
「みてわかるスケジュール帳」
D-BROSのクリエイターズダイアリーを実際に使っていただいている方々に日々のスケジュール管理について伺うインタビュー第4弾。
第4回は、ガーリーでロマンティックな世界観で雑誌や広告など幅広いジャンルで活躍中のイラストレーターよしいちひろさん。
クリエイターズダイアリー歴11年というよしいさんに、仕事と家事の両立をしながら、日々どのように時間を生み出しているのかきいてみました。
使える時間を意識する
ーークリエイターズダイアリーを長くご愛用いただいているんですよね。どれくらい前から使っていただいているのでしょうか。
「どれくらいだろう、、、えーと、最初が2008年なので、今年で11冊目ですね」
ーーすごい!クリエイターズダイアリーが発売開始したのが2007年なので発売当初からずっと使っていただいているんですね。こんなに長く使っていただいている方にお会いできてうれしいです。ありがとうございます!今日はよしいさんのスケジュール管理についてお話をお伺いさせてください。
「はい、よろしくお願いいたします」
ーーイラストレーターのよしいさんは、具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか。
「最近は「non-no」の夢占いページのイラストや、「ゼクシィ内祝い」のWEBやカタログ、アサヒ食品の「牛乳屋さんの珈琲」のイラストを描かせてもらいました。あとは、「MilK JAPON WEB」で連載を書いたり、関西の雑誌「SAVVY」の美容ページを担当していて、自分発信の仕事も増えてきました」

▼MilK JAPON WEB「夢見るころを過ぎてもー3人の女たちによるリレー作品—」のために書き下ろしたイラスト

ーーイラストだけではなく、ご自身のライフスタイルの発信もされているんですね。イラストはどちらで描かれているんですか?
「自宅でずっと作業しています」
ーーいつもは家で作業し、打ち合わせなどは外出されているんですか?
「そうですね」
ーーその傍らお母さんとして育児と家事もされていると。
「はい、今息子が4歳でこども園に通っています」
ーーじゃあ、朝はお子さんを送り出して、お仕事されて、夕方はお迎えに行って。大変ですね!
「独身の頃は夜中まで作業して、少し寝てまた作業してと、効率のよくない時間の使い方をしていましたが、子供が生まれてからは作業出来る時間が限られるので、今は緊張感を持って時間を使っています」

ーーそうですよね。動ける時間は必然と決まってしまいますよね。
「納品も以前はその日のうちに納品すればいいやという考え方でしたが、17時までに納品しないとその日に納品できないので、計画的にスケジュールを組むようになったと思います」
出来るときにやる、ということ
ーーお子さんが生まれてから時間の使い方が変わったとのことですが、心がけていることはありますか?
「余裕のない仕事はしなくなりました。昔は時間にルーズだったんですが、前もってやる癖がついたんです。子供って突然熱を出したりするじゃないですか。小さい時はイレギュラーな出来事が起こるので、出来る時に出来る事を前倒してやっておこうという考え方になりましたね。夏休みの宿題は最終日に慌ててやるタイプだったんですが、それが7月中に済ませておくような、そんな癖がつきました」

ーー納品から逆算して余裕をもって計画しているんですね。
「はい。これまではギリギリまで作業してしまっていましたが、指定の納品日よりも先に提出することが多くなりました」
ーー後回しにせず、出来る時にやるって大切ですよね。
ヨコ軸はスケジュールの流れ、タテ軸にはタスクを振り分ける
ーークリエイターズダイアリーはどのように使っていただいていますか?
「大体ラフアップと納品がスケジュールのキーになるので、その二つがいつ頃かというのをメインに下の欄に書いています」

「例えば7ページ分の仕事があったら、この日は1ページ目、この日は午前に2ページ目と午後に3ページ目など、上の部分にはその日やるべき予定を書いています」
ーー上の部分(バーチカル*)には時間は書いていないんですか?
「たまに取材や打ち合わせなどはありますが、基本的には家にこもって描いている事が多のいで、時間で区切って管理するというよりはざっくりとその日のやることを書いています。この日は午前中にカバーをして午後は扉絵をしてという感じです」
*時間軸と呼ばれる、縦に時間ごとの目盛りが用意されたフォーマット

ーーまず仕事の流れを書き出して、その後にやることを割り振っているんですね。割り振ったタスクは予定通りにこなせていますか?
「いや、こなせていなくて(笑)出来なかった時は消して、次の日にずらしてまた書いているので、消したり、書き直したりできるように鉛筆がいいんです」
ーーいつも大体どれくらいの複数案件が進行されているのでしょうか?
「連載が5 本と+αで単発の仕事がバラバラと入ってきたりしていましたが、最近は落ち着いてきたので、下の欄がすべて埋まってしまうことはほとんどなくなりました」

ーーお仕事でイラストを描くために資料を探しに行ったり、アイデアのための時間などはどうされていますか?
「スケジュールが空いている部分で行くようにしています」
ーー家族のスケジュールやプライベートのスケジュールは記入されていますか?
「スケジュールは仕事もプライベートも一緒にダイアリーで管理しています。ただ、夫との共有が出来ないので夫からはアプリを入れて共有してほしいと言われています。でも、二つも更新して管理するのは大変なのでまだ出来ていないんです」
ーー旦那様は何か手帳を使われているんですか?
「手帳は使っていなくて、全部Google Calendarで管理しています」
ーー共有方法は模索中なんですね。
「子供のお迎えが行けない日などは夫にお願いしなくてはいけないですし、夫が自宅作業をしている日に私の予定が入っている時などは、やはり共有しなくてはいけないなぁと思っているとこです」
スケジュールは視覚的に把握する
ーークリエイターズダイアリーの気に入っていただいているポイントはありますか?
「蛇腹は助かっていますね。スケジュールを決める時に広げてスケジュールを俯瞰して見れますし、パッとみてここが空いているので出来るなとか、打合せの場でも広げて使用しています」
ーー俯瞰してみると、スケジュールが空いているところも一目瞭然ですよね。
「私は視覚的な方が頭に入ってきやすいタイプなので、スケジュール帳も図形のような感覚で、ここは空白だから時間があるというように視覚的に捉えて理解しています。締め切りまでこれくらいあるなとか、こんなに休んでいるんだなとか。このダイアリーなら一目で把握できるので
ーーなるほど。視覚的に捉えると判断も早くなりそうですね。
「このヨコ軸とタテ軸みたいなものも頭に自然に入ってくる気がしています」

ーー頭の中でも常に横の流れと縦で考える感じですか?
「そうですね」
ーー11年も使っていただいていると、自然にそういう風に考えられるようになるんですね。スケジュールを視覚的に捉えるために工夫していることはありますか?
「終わったタスクにはチェックを入れるようにしています。週の初めに今週の予定を確認して、締め切りが近い予定は目立たせるように印を付けたりとか」
ーー色分けはどのような意味がありますか?

「メインで使っているところ(下のプロジェクト欄)は分かりやすいように色を分けたりしていますが、その他はその時手にもっているもので書いているだけです。手帳って工夫しないと使いやすくならないところがありますが、これは上と下で役割を分けてくれているので、私のように雑に書いてもすぐにパッとわかるのがいいです。工夫を楽しむ方もいるとは思いますが、私にはパッと書いてパッとわかる方が向いていますね」
その年の気持ちを表紙に込めて
ーー他には気に入っていただいているところはありますか?
「毎年表紙の色が変わるので、選べるのも嬉しいですね。赤はヤル気だったり、白は未来が決まっていない感じだったりとか、その年の気持ちで選んでいます。色を選ぶことでヤル気がでたり自分の気持ちを込めたりとか出来るのがいいなと思います」
ーー表紙もかわいくカスタマイズされていますね。
「カスタマイズをするのもまた楽しくて。シールとかデコパージュとか。キーホルダーやお守りを付けている時なんかもありました」
ーー持つのが楽しくなりますよね。
「カスタマイズにはその時の気分が出ていますね」
ーー共に歩んでいただいている感じがダイアリーからも見て取れて嬉しいです。


「来年からロゴのマークが変わるんですね、私は今のロゴが好きでした」
ーーそうなんです。クリエイターズダイアリーはどういう意味を持った商品なのかというのを今一度チームで話し合っている中で、ただスケジュールを埋めるのではなく、自ら設計し、自分自身を管理するものであってほしい、そんな製品化した時に込めた思いを改めて伝えていきたいということから「クリエイターズダイアリー」という商品名のロゴに変更しました。
「常にマイナーチェンジしていて、現状を良しとしない姿勢が私はいいなと思っています。昔は、毎年中面の書体を変えていましたよね」
ーー気づいてくださってありがとうございます! 昔は毎年書体や、色を少しずつ変えるのがお決まりだったんですが、最近はリピーターの方から毎年変更すると使いづらいというお声をいただいて、今の書体で定着してきています。
「毎年マイナーチェンジをしているのはステキだと思います」
ーーありがとうございます。これからもお客様にとって使いやすいものとなるマイナーチェンジはしていきたいと思っています。
インスピレーションは、子供との時間と貪欲帳から
ーーよしいさんの創作のアイデアやインスピレーションはどこからきているんですか?
「古い印刷物とかがやはり好きで、そういう資料もありますし、ここに引っ越してきてからは、散歩中の自然のなかでアイデアが浮かぶこともあります」

ーーほんとに自然が豊かなところですよね。じゃあ、お子さんと公園などで遊んでいる時間もアイデア探しになりますね。
「そうですね。キノコを見つけたり、どんぐりを拾ったり」
ーー仕事のためのアイデアの時間はやることに含まれているんですか?
「はい、含んでいます。私は絵を描く時にまず絵を描くのに必要な資料を集めてから描くんですが、その時に画像検索をして出て来た変なものなんかもインスピレーションになっています。
一時期はずっとTumblrをみて、欲しいものや好きな画像を集めてみたいなことを毎日していましたね。だから、イラストは貪欲を集めてそのエッセンスという感じです(笑)」

ーーほんとに自然が豊かなところですよね。じゃあ、お子さんと公園などで遊んでいる時間もアイデア探しになりますね。
「そうですね。キノコを見つけたり、どんぐりを拾ったり」
ーー仕事のためのアイデアの時間はやることに含まれているんですか?
「はい、含んでいます。私は絵を描く時にまず絵を描くのに必要な資料を集めてから描くんですが、その時に画像検索をして出て来た変なものなんかもインスピレーションになっています。
一時期はずっとTumblrをみて、欲しいものや好きな画像を集めてみたいなことを毎日していましたね。だから、イラストは貪欲を集めてそのエッセンスという感じです(笑)」

ーー貪欲帳という名前がいいですね(笑)
「欲の塊のような1冊で、書いた物が全て手に入るものではなく、手に入るのは全体の1割にも満たないかもしれません。これを鞄に入れて買い物に行くと、ちょっと欲しいなと思ったものがあっても、これよりももっと欲しいものがまだまだあるからこれはまだ買わなくていいみたいな自分を抑える効果があります(笑)」
ーーなるほど。自分の欲を吐き出すためのノートですね。
「意気込みなんかも書いていたりして。「焦ってるときは買わない」って書いてます(笑)」
ーー私も貪欲帳書いてみたくなりました。
「いいですよ、書くとモヤモヤ解消になって。ぜひおすすめです。」
Interview & Text :Eriko Fujitani
よしいちひろ プロフィール
1979年兵庫県生まれ。イラストレーター。ガーリーでロマンティックなモチーフを 独自の抜け感で描く。エディトリアルからプロダクトまで幅広いジャンルで作品を提供。オフィシャルサイト / instagram
