「BOYS & GIRLS &」の箔押し加工

 2022年版の渡邉良重のカレンダー「BOYS & GIRLS &」。カレンダーの半分以上の面積を使っている大きな額のデザインにはとても贅沢に箔押しがされています。このカレンダーの箔押し立会いをしてきました。

7月末、板橋区の箔押し印刷工場コスモテックさんを訪ねました。3日間かけて、「BOYS & GIRLS &」の全ページの箔押しをするとのこと。どんな風に箔押しされるか想像がつきますか? 

まずは、このカレンダーのために作られた「版」。加工するときの版は140度にも熱くなり、その熱さと圧力で紙に箔を熱圧着させます。「本当に熱いので気をつけてください」と担当の前田さんが見せてくれました。

この版を実際の箔押し機にセットして、用紙と箔の付き方を入念にチェックしながら試し押しを繰り返していきます。押す力が強すぎると紙を貫通してしまったりします。職人技とも言えるこの微妙な調整に約1時間半かかったそうです。

そして、本番。

 一度に機械を動かして一瞬で終わるのかと思っていたのですが、なんと一枚一枚、手作業だったんです。一枚ずつ、クオリティーが保てているかチェックをしながら、とても丁寧に箔が押されていきます。気が遠くなるような作業です。

機械を見るとわかるように額の部分だけ用紙に箔押しされるので、真ん中の金箔はもったいない気もしますが使わず処分します。

 ▼山積みになった、箔押しを待つカレンダーの束

今回、カレンダーの1月、3月、4月、6月、8月、9月、10月、12月が金の箔、そのほかの月は赤、水色、グリーンの顔料箔が使われています。顔料箔はペンキのような色箔で、シルクスクリーン印刷などとはまた違ったニュアンスが出るそうです。

3日間の箔押しを終えたカレンダーの台紙は、このあとまた別の印刷所へ移動し、額の中に絵を貼る工程への移っていきます。そのあとは、1冊ずつサインを入れて、商品としてセットされます。

 お客様へのお届けを予定している9月の半ばまであと少し。大切に、大切に作られています。 

 

Text : Jina Lee