2024 二十四節気カレンダーの制作裏 ー季節の挿絵
日本の豊かな季節を細やかに表した二十四節気カレンダー。このカレンダーに描かれている挿絵の制作裏をご紹介します。
まずは絵を描く時のアイテムから。筆のコシと滑らかさのバランス、紙はインクの滲み具合など、様々な種類のペンや紙の組み合わせを試し、ベストな相性を探究しました。実際に使っているものはこちら。
用紙:富美堂 水墨画お稽古帳 F5サイズ 画仙紙 25枚綴
ペン1:パイロット 瞬筆 小筆 かため
ペン2:ぺんてる 携帯用 中字 XGFKP-A
ペン3:プラチナ万年筆 preppy(プレピー) PSQ-400#1
この画仙紙に絵を描いていくのですが、下の動画のように画仙紙の下にパソコンで描いた下書きを敷いて描いていきます。
こうすることで、絵のサイズが描くたびにバラバラにならず、後ほどデータとして取り込み、カレンダーに配置した際にサイズ調整の必要もなくなるのです。データ上で拡大縮小をしてしまうと、絵ごとにペンのタッチの太さも変わってしまうので、カレンダーに載せる実際のサイズを決めてから描き始めます。
Instagramに載せた動画は、実際にデザイナーが絵を描く速度そのまま。さらっと描いていますが、なんとも筆の強弱が心地よく、線のみで表現しているのに鳥の羽の軽い質感が伝わります。その他、青々とした野菜や、魚のきりっとした光沢も、絵に色がついていなくても感じ取れますよね。
二十四節気カレンダーを通して、日本の季節や美味しい食べ物を楽しみながら、豊かな一年を過ごしてもらえたら嬉しいです。
二十四節気カレンダー デザイナー
小山麻子 アートディレクター / グラフィックデザイナー
1987年神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒。株式会社キギを経て、2013年株式会社DRAFT入社。2019年よりフリーランス。企業ブランディング、CI、VI、商品パッケージ、エディトリアル、広告などグラフィックデザインを軸に活動。JAGDA会員。